現代パラレル 008

※現代パラレル(設定)

「だからね、この値段だとどう考えても良くないと思うんだ」
「ならお前が代わりの意見を出せ」
「俺金持ってないよ」
「僕も持ってない。でもさー、ちょっとあんまりだと思う」
「……主観的だ」
「そう言うなら長次が意見出してよ」
「…なら…何でも…いい……」
「じゃあこれでいいじゃねえか」
「えー俺別に、安ければいいよ何でも」
「じゃあここ」
「その決め方何かやだなー。僕の意見って結局何なの」
「民主的に決まったじゃねぇか」
「数の暴力だ。それに賛成してるのは文次郎だけだろ。あとは無効票だ」
「往生際が悪いぞ。何でそんなに嫌なんだよ」
「だってさー。幾ら何でも安すぎるよ。絶対法律とかに違反してるって。あと汚い。この間は鼠とか見たし」
「いちいち細かいやつだな。鼠でも何でも火を通せば大丈夫だ、食え」
「食べるって話じゃないよ!」
「ねーもうよくない? 俺ほんともうやばい」
「いいよもう。僕等だけ別な所行くから」
「一人で行けよ」
「誰もお前を連れて行くとか言ってないから。後で仙蔵来るって言ってたからさ、仙蔵は絶対嫌って言うと思うんだよね」
「あー!」
「そんな忘れてたって顔しないであげようよ」
「でももう間にあわないんじゃん? 昼休み終わっちゃうよ」
「間に合う。間に合った。だがここは絶対に嫌だ」
「うわ、仙蔵。息上がってるよ。走ってきたの?」
「格好悪いな」
「お前に言われたくない」
「何だと」
「だからさー嫌だって僕もずっと言ってたんだけど。だから別にしようって」
「それはいい考えだ。だいたい私はこういう最下層みたいな所は嫌だ」
「…待ってたんだが……」
「それは悪かった。だが仕方がない」
「別に俺はどうでもいいよ。もういいから腹減った」
「おう、じゃあな」
「気をつけろ……」
「ん? 何?」
「早く行こう。授業に間に合わなくなる」
「そうだね。じゃあね。遅れたら出席カード宜しく」
「いや……金」
「もう聞こえてないぞ」
「歩くの早すぎじゃん? よっぽど腹減ってんだなー仙蔵も」
「……貸す金もないのに」
「な! 仙蔵が選ぶ店には絶対入りたくないよな」
「あいつ金銭感覚おかしいからな……」

昼食何にするかもめていた6年

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